年齢による役割の自覚
年齢による役割の自覚
年齢の上から下まで多くの人が遠慮なく話せる相手として集まる親戚。
そういった親戚との交流の中で、自然と自覚できるようになるのが、
「年齢による役割、その意味。
親と親の兄弟姉妹子供孫、更にその上の親と兄弟姉妹達と横と上と下のつながりと広がりと歴史。
そして、年を取るということ。」
自分のルーツである過去と、まるで大樹の枝葉のような、人のつながりと広がり。
人の年齢による役割の段階と、その意味や理由が見えるようになってくる。
私にはほぼそれがなかった。
私の親は、私を連れてまともな親戚付き合いをしなかった。
父親側の親戚は距離が遠かったこともあるが、実際に行ったのは3回ほど。しかもすべて子供の頃に行っただけだ。それ以外は父親だけがいそいそと実家に戻って親戚付き合いをしている。
母親側はそもそも複雑な事情でまともな親戚付き合いはない。
そういった環境でずっと何もわからずに育ってしまった。
何も見えず、何も知らず、自覚もできず。
やっと今になってぼんやりとそれが理解できるようになった。
とても残念なことだと思った。
親戚付き合い、年齢による役割、自分とつながりのある歴史、人(自分)というものがどういうポジションを与えられ、生きるということにどう向き合っていくべきか。
そんな重要な根幹となるべき要素を得る場所であり経験である。
けれど現代日本においてそれは重要視されなくなりつつあり、重要さを忘れつつあり、私の親はそれをわかってはいない。
とても大切なものを得られない人生になってしまったと心の底から悲しい。