世界は複雑すぎて
世界は複雑すぎて、望まない勢力に巻き込まれることをうまくいなせないと、まともに立っていることすらままならない。
勝てない相手とは戦わずに逃げるのが王道だという言葉もあるが、その片鱗さえ見えないうちに気付いた時には巻き込まれて渦中に居たなんてことも珍しいことではなかったりする。何しろ向こうから来て巻き込もうとする台風は思っている以上にたくさん存在するのだから。
この世界は複雑すぎてわざわざ自分から巻き込まれに行かなくとも勝手に向こうから台風はやってくる。生きていればそれが1個や2個でないことくらい知っているはずだ。
法律は味方ではない。
警察も味方ではない。
ことが起こった後に法律に準じて一つ一つ処理されるだけだ。
その時、それが起こっている時に助けてはくれない。
何もかもが終わってから、それでも自分が生きていて、それを公式に訴えられるだけの気力や証拠があれば、その後になってから法律に則って手順を踏んでもらえるかもしれない、というだけのものだ。証拠が足りなければそこで終わり。
常識なんてルールは存在しているように思えても実際には存在していないし、助けにはならない。
人間の数だけそれぞれの欲があり、それぞれの勝手なルールがあるのだ。
世界はその人間の数であふれていて、とても複雑な風の動きでビュービュー吹き荒れているようなものだ。
そこに留まって一人で勝手に回転してるわけじゃなく、それぞれが好き勝手に動いて巻き込みながら移動している上に、その台風は目に見えなかったり、別の形をしていたり、大きすぎて見えなかったりもするのだ。
そんな世界、複雑すぎて時々とても嫌になることは否めない。