墓の下で眠る
墓の下で眠る。
という言葉がある。
しかしこれは言葉通りではないはずだ。
ベッドのような棺に入れて土葬の習慣が残るキリスト教系文化から来る言葉ではないかと。
見たままの事象を、オブラートにうまく包んでやわらかく優しい言葉で表現しているだけだ。
ストレートな表現をさけている。
そういう表現方法だ。
人は物理存在だ。
だから眠っているわけではない。
ここから先は細かく説明しなくともいいだろう。
現実的な話、墓というのは亡くなった人のためにあるというよりは、
「亡くなった人を忘れないようにするために今生きている人のためにある」
はずだ。
しかしながらその辺りがちゃんと理解できていない人もいるらしい。
本気で
「人は死んだら墓の下で眠る」
と思っているそうだ。
つまり、人が死んだらあの石積みの下の地面の中に居なければならないと思っているらしい。
そんなことを本気で信じていたら、そりゃ死ぬのが怖い。
こういうことを本気で信じている人は、「生きる」ということをどう感じているのかと不思議に思うが、そんな人の死生観を知りたいとは思わないな。
それこそ怖い。