「それは無理だ」と言ってしまう


大人は子供に、「それは無理だ」、「そんなのできっこない」と、つい言ってしまいがちだ。
自分ができないから、自分がそれをできるかもしれないということを想像することすらできないから、その自分の思い込みや能力の限界(だと思い込んでいること)で、子供に対しても簡単に「それは無理だ」と言ってしまう。そう思い込ませようとしてしまう。

その行為、発言はすべて間違っている。
とてつもなく、ひどい間違いを犯している。

こういう人間が子供の限界を決めつけてしまっている。
自分よりも優れた結果を出されてしまうこと、を潜在的に恐れているからだ。
自分よりも劣っていなければならない、と思っているからだ。

むしろやらなければならないのは「できないと思うようなことでも繰り返し練習すればできるようになる」と教えることだ。
「達人や名人と言われる人ほど毎日努力し続けている」と教えることだ。
実際にそうだからだ。
インスピレーションやひらめきやセンスももちろん大事だけれども、最新の知識を得続けようとすることと同時に、自分自身が努力し続けることも絶対的に必要なことだ。

私は名人でも達人でもないが、今までの人生の中でそういう経験が何回もある。
最初やってみてうまくできず、その場で何度もトライしてみてもまったくうまくできない。それでもしつこく周囲が「またやってるのか」とあきれてそう言うのを何度も聞きながらもあきらめずに毎日やり続けて、自分が納得いくまで、うまくできるようになるまでやり続ければ、最初まったくできなかった多くのことができるようになるという経験が実際に私にもあるからだ。

そしてその逆も見たことがある。
大人が子供に対して簡単に「そんなの無理だ」と言ってしまう状況を。
特に、その子供が大好きで尊敬している親や大人、に言われてしょんぼりしてあきらめてしまうのを。

上に伸びようとしているのに、大人がその子供にフタをしてはならない。
自分より優れている可能性を、上から叩きつぶしてはならない。


ただし、これだけは言っておかなければならない。


明らかに危険なことに対しては「それは危険だ」と教えなければならない。


「無理だ」ではなく「こういう理由で危険だからやってはいけない」と言わなければならない。