総体的で相対的
全員が高所得者層になることは有り得ない。
必ずピラミッド状の上部のほんの一部が高所得者層で、
下部の大部分が低所得者層になる。
なぜか。
お金はどうやって儲かるのか、儲けるのか、どこから来るのか。
これをちょっと考えればわかる。
総体の収入が増えれば、自ずと物価は全体的にそれを追いかけるように上がる。ただシフトするだけだ。
これを個人が以前と比べれば「収入が増えた」と思ってしまうかもしれないが、総体で見ればほとんど変わらない。もちろん完全に全体がきれいにスライドするはずがないので増えた人も居れば減った人も居るだろうし、大幅に増えた人も居れば極端に減った人も居るだろう。しかし総体の(数字上の)収入が増えれば(あるいは増えると言うことは)物の値段は上がり、支出も増えているということだ。
そうでなければそのお金はどこから来たというのだろう。
例えば1つの国だけが全体的に収入が増えるということはあるだろう。
その国から出るお金よりも入ってきたお金がとても多い状態になればそうなる。
しかしそれを実現するためにはその差額をどうやって作ったかだ。
その国でしか産出されない資源が見つかって、世界規模でそれを必要とされた?その資源の代替品は他国にも存在するが高価?
その国でしか作ることができない技術で作られた物が世界中で必要とされた?他の国にはそれを作れる技術が無い?しかし技術は盗まれやすい。
その国でしか味わえない何かがある?皆その国へ来てそれを体験したがる?これはある意味「技術」みたいな物で、人々が何に魅力を感じてそれにお金を出すかということがわかれば、そういった魅力的な何かをどこの国も真似して作り出そうとするだろうからそんなに長くは続かない。
要はお金持ちはほんの一部しか存在し得ないということだ。
残りは必ず低所得者層になる。
原材料資源を採掘したり物を作ったり運んだり売ったりするためにはそれぞれを直接実行する人手が必要だからだ。まさにその現場に居る人達は高所得者にはなり得ない。その人達に高い給料を出すわけにはいかないからだ。
そのトップに居るわずかな人達だけが高所得者になり得る。
常にこのピラミッドはすべてに当てはまる。
現場で働く大量の人手=低所得者層
管理運営者=高所得者層
当たり前のことだ。
全員が管理運営者になることはできない。
必ずピラミッドがあり、高所得者はその上部のほんの一部になる。